「国語の勉強では漢字以外に何を勉強したらいいですか?」とよく生徒から聞かれます。このような状態では国語が苦手な生徒はいつまでも苦手を克服できないのではないかと心配になります。
そこで、国語を苦手としている小学生、中学生、高校生の皆さんに向けて「国語の勉強で大事にしてほしいこと」について書きました。
筆者や作者が伝えたいことを読み取る
論説文や小説・物語、そして古典や詩歌にいたるまで、筆者や作者は何か伝えたいことがあって、それを文章や言葉でどのように効果的に伝えようかと試行錯誤を重ねている。したがって、文章は単なる語句の羅列でもなく、ましてや試験問題のためにあるわけでもない。
教科書や問題集などに掲載されている文章は抜粋されているものが多いが、それでも読む側は筆者や作者の伝えたいことを読み取るための努力を怠らないのが文章に対する真摯な態度ではないかと思う。
だから、問題を解くときは、まず文章を最初から最後まできちんと読んでほしい。筆者や作者が伝えたいことが十分に理解できれば、問題を解くのはそう難しくはないのだから。
文章中にある知らない言葉を調べる
文章を読んでいるときに知らない言葉が多いとなかなか理解が進まない。そういうときは辞書やネットなどで調べると思いますが、その数が多いとけっこう大変ですよね。
だからといって、調べることに時間を取られ過ぎるあまり、文章を読むことが疎かになっては本末転倒です。そういうときには、すべての語句を調べるのではなく、文章の中で何回も出てきたり、重要だと思われる語句のみを調べるのが賢い勉強の仕方です。
そして、実際に文章を読むときには、知らない言葉が出てきても気にし過ぎないほうがよい。それよりも知らない言葉の意味を前後の文脈から想像して、読み進めるほうが大事になる。
一文を正確に分析する
文章の最小単位は「文」です。そして、一文は主語、述語、修飾語などで成り立っている。この文の成分を見分けるのは意外と難しい。
生徒に対して文中の主語に印をつけるように指示しても、すべて正解できる生徒は皆無である(大人でも正解できるかはあやしい)。だから、文章を理解するためには、主語などの文の成分を分析する練習が必要なのです。
一文の分析ができたら、次は一文と一文のつながりを確認するために接続語のはたらきを知る必要がある。とくに論理的な文章では接続語が理解を深めるために重要な役割を果たしている。
極端なことを言えば、接続語を追っていくだけで筆者の言いたいことがどこか、自然にわかるようになる。
音読や黙読で文章を味わう
音読の練習には、学校で習った文章や以前に読んだことがある文章を繰り返し読むほうがよい。
小学生は宿題で音読をするのでよいが、中学生や高校生の皆さんにもぜひ実践してほしい。音読は時と場所の制約があるので、黙読またはつぶやくように読んでも良い。
大事なのは、音読によって文章全体を丸ごと身体に染み込ませることだ。機械的に読むのではなく、意味の区切りや抑揚を意識したり、読む速さを変化させたりして読むのもよい。「読み聞かせ」がいい見本となるので、Youtube(ユーチューブ)などの動画を見てみるといいでしょう。
また、音読の活用法として、読んだことがない文章をお子さんに音読させて、文や文章を把握する力を確認するというものがある。
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