「丸つけ」と聞くと、多くの人はただ単に正解・不正解を判断する作業だと思うかもしれません。
しかし、一見些細に思える「丸つけの仕方」が、実は学習効果に大きく影響することをご存知でしょうか。
今回は、丸つけにこだわる理由と正しい丸つけの仕方について説明していきます。
*小学5年生〜中学3年生の成績上位を目指す児童・生徒に向けた内容です。
間違った問題に丸をつけてしまう
お子さんは、間違っていてもよく確認せず、適当に丸つけをしていませんか?
「問題を解いてしまったら、もう勉強は終わり」と、丸つけが適当になってしまうパターンです。
・細かい部分への注意が足りない
・文字や数字を正確に読み取れていない
これは文字の認識や注意力が不足しているのが原因です。
間違った問題にマルをつけてしまうと、見直しができずに知識の習得の機会を逃してしまいます。
対策としては、解答を見間違えないように、指を当てて確認しながら丸つけをするようにしましょう。
正解を書き写すだけでは意味がない
問題にバツをつけ赤ペンで正解を写して終わっていませんか?
「バツをつけて解答を写せば、もう勉強は終わり」と丸つけが作業になっているパターンです。
・間違った答えを消して、その上に正解を書く
・自分の解答の上に赤ペンで正解を書く
このようなやり方では、自分がどこをどう間違えたのかを検証できないので、自分の解答と赤ペンの字が重ならないように書きましょう。
大事なのは、間違いを隠すのではなく、間違った箇所をしっかり見直すことです。
赤ペンで書く際のコツは、復習時に答えを隠せるのであれば、赤ペンで解答を書いておきます。
答えを隠せなないページであれば、問題を解く前にコピーまたは写真を取ってきましょう。
丸つけの仕方で「わかる」が変わる
基本編
選択肢や空欄補充の問題、計算問題などの丸つけについて説明します。
❶解答欄にマルをするのではなく、問題番号付近にマルをつける
(理由)自分の解答が見える状態にすることで間違いなどを見つけやすくするため
❷計算ミス、単語や漢字の書き間違い、記号で書かなかったなどのミスをした問題には「△」印をつけておく
(理由)ミスで不正解になった問題を仕分けするため
❸丸つけをしやすくするためにノートに解答を書くときは、
・横ではなく下の方に書いていく
・問題番号は左端を揃えて書く
(理由)丸つけの効率を上げ余計な労力を減らすため
このように、マルやバツをつける場所や書き方を工夫することで理解を促すことができます。
応用編
記述問題などの丸つけの仕方について説明します。
❶解答解説は必ず読む
解答解説には正解の基準や複数の解答例が書いてあることが多いですが、多くの生徒は読んでいません。
(理由)「なんとなく合っているから」と自己判断で丸をつけないようにするため。
❷正解をそのまま書き写して終わりにしない
記述問題で解答がまったく書けないときに解答を書き写すだけで済ませてはいけません。
(理由)正解の文章を暗記しても記述する技術は向上しないため。
正解の根拠はほぼ問題文中に書かれているので、その部分に印をつけます。
また、記述問題の解答を丸々覚えるのではなく、キーワードを覚えて、それをもとに解答を書けるようにします。
このように、記述問題では、正解を書き写す前に、「なぜそのような答えになるのか」を考えることが大切です。
丸つけで鍛えられる力とは
丸つけという一見ささいな行為にも、
・細部に注意を払う力
・自分の誤りを受け止める力
・自分を客観的に見る力
が育つチャンスが詰まっています。
丸つけは、ただの採点作業ではなく、「自分を成長させるための技術」なのです。
これらの能力は、勉強だけでなく、将来にわたって役立つ重要なスキルでもあります。
丸つけの仕方で成績は変わる
勉強が苦手な生徒は、間違った問題にバツをつけたがらなかったり、間違ったところを消しゴムで消して直したりするなど、
「間違えると怒られる」
「間違えることが恥ずかしい」
という気持ちから、正解に執着し、間違いを隠そうとするのです。
それが続いていると、成績を挽回するチャンスをつかむことは難しいです。
バツをつけるのは「悪いこと」ではない。
むしろ、「自分を成長するチャンスである」というように、勉強に対して正しく向き合ってほしいですね。
滝沢進学塾では、基本的に生徒自身に丸つけをさせるのですが、間違いに誠実に向き合えるように促すことで、成績は自然と伸びていきます。
丸つけの仕方を変えるだけで、勉強の質は大きく変わります。
親として、先生として、お子さんがどんなふうに丸つけをしているのか、一度じっくり観察してみてください。
小さな改善が、大きな成果につながるかもしれません。
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