文章読解の土台をつくる

国語の読解問題は自分で答えを考えなければいけないと思っているかもしれませんが、実際は文章中から答えを探す問題がほとんどです。

だから、答えをいかに素早く探せるかがテストの得点に大きく関わります。

文章を読んでいくと途中に問題を示す傍線が引いてありますが、多くの生徒はその傍線部に来るとすぐに問題を解こうとします。

学校の授業で習った文章であれば内容はすでに分かっているので、文章を最後まで読まなくても傍線部に来たらすぐに問題を解くことができます。

小学校のテストや中学校の期末テストは、文章を読んで理解するのではなく、知っている文章の内容を確認するためのテストなのです。

しかし、そういう問題しか解いていないと、教科書で習っていない文章が出てくるテストではいつもと同じようにいい点数が取れないという現象が起きます。

その原因の1つは、問題を解く時間が足りなくなることです。

初めて読む文章では、内容を理解するためにいつもより多くの時間がかかります。しかも、知らない言葉が多いとそれだけ読み進めるのにさらに時間がかかってしまいます。

説明文や論説文では、取り上げている話題を知っているか否か、物語や小説では、時代背景や人物関係が分かるか否かが読むスピードが変わります。

指導していて気になっていることですが、文章中からある特定の言葉を生徒に探してもらう時に、すぐに見つけられる生徒となかなか見つけられずに時間がかかる生徒がいるのです。見つけるのに時間がかかる生徒は、国語の読解問題を苦手にしていることが多いです。

もう一つの原因は、文章の内容に関しての知識が足りないことです。

多くの人は、本を読む時に自分の経験や自分の知っている知識を使って、先を推測しながら読んでいます。したがって、より多くの経験やより幅広い知識をもっていると、文章の内容や話の展開がある程度推測しやすくなります。

このように、国語の読解問題が苦手な原因はいくつかあります。

それを解消するために最初に取り組んでほしいのは、文章を最初から最後まで読むことです。そして、問題を解くのは文章を読んだ後にします。

それは文章の内容や要旨がつかめている方が答えにたどり着くまでの時間が短くて済むからです。余った時間をすぐに答えが出ない問題や文字数の多い記述問題などに使うことができます。そうすれば、高得点を取ることもそう難しいことではないです。

文章は1回読んですぐに理解できるものではありません。だから、十分に理解できるまで2回でも3回でも読むことが大切なのです。知らない言葉なども調べてください。

そうやって、文章を理解しようと悪戦苦闘することの積み重ねが文章読解の土台となっていくのです。

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