中学生をお持ちの保護者に向けた高校選びのヒントとなるような内容をお届けします。
お子さんの中学生活も、気づけばあっという間に2年生、3年生と進んでいきますね。
最近の岩手県の公立高校入試では、推薦入試が特色入試に変わったり、進学校における「進学型単位制」「医系コース」など、昔はなかった言葉に戸惑ったている方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回の内容は、
• 単位制高校と進学型単位制の違い
• それぞれのメリット・デメリット
• 保護者としてお子さんにどう伝え、どう支えるか
をわかりやすくまとめました。
ぜひ、親子で進路を話し合うきっかけにしてください。
単位制高校にはどんな種類があるのか知ろう
最近の高校では学年制のほかに、様々な形態の単位制が導入されています。
完全単位制とは?
学年制ではなく、3年間で卒業に必要な単位を取る単位制のことを、ここでは「完全単位制」と呼びます。
岩手県内の高校では、盛岡中央高校通信制(私立)、一関学院高校通信制(私立)、杜陵高校通信制(県立)、宮古高校通信制(県立)があります。主に通信制が該当します。
・学年ごとのクラスがなく、自分で時間割を作り、必要な単位を取れば卒業できる仕組みで、自由度が非常に高いです
・学年ごとに習得単位の規程がないため、留年がありません。3年で必要な単位を取得すれば卒業資格が得られます。
・ただし自由度が高い分、自分で進路や必要科目をきちんと把握しないと、必要な科目が不足する事態になります。
ハイブリッド型単位制とは?
学年制と単位制を組み合わせた新しい単位制ということで、ここでは「ハイブリッド型単位制」と呼んでいます。
単位制の仕組みを活かして、大学進学や専門学校、就職など生徒の希望に合わせて、必要科目を体系的に学べるように高校独自のカリキュラムが設計されています。
*学年制は、学年ごとに習得単位の規程があるため、単位が足りないと留年することがあります。
総合学科
岩手県内の高校では、紫波総合、北上翔南、岩谷堂、一関第二、久慈東、北桜の6校があります。
•学年ごとのクラスや必修科目がありつつ、進路に合わせて選択科目を自由に組み合わせられる形態です。
•高1では基礎を全員で学び、高2から専門学科に分かれ、高3では専門学校や就職、大学進学など、それぞれの進路に合わせた学習を行います。
進学型単位制
岩手県内の高校では、盛岡三高(2025年度〜)と盛岡一高(2026年度〜)の2校があります。
•高1は基礎を全員で学び、高2から文系・理系に分かれ、高2または高3で志望大学に合わせて科目を選択していきます。
•盛岡一高では「進学型単位制医系コース」として特定の進路(難関大学や医学部)に特化したコースを設けています。
•盛岡一高の医系コースでは、理科(生物・化学)や数学IIIなど、医学部進学に必要な科目を重点的に学び、受験対策を行います。
メリットとデメリットを子どもにわかりやすく伝えよう
単位制のメリットとデメリットを子どもにわかりやすく伝えよう
ここでは、進学型単位制のメリット・デメリットについて説明します。
進学型単位制のメリット
1. 進学に必要な力を効率よく伸ばせる
進学に必要な科目を無駄なく学べるので、受験対策がしやすい。
2. 得意を伸ばして苦手を補強できる
必要な科目に集中できるため、苦手科目を計画的に克服しやすい。
3. 進路に特化したカリキュラム
医系コースなどは医学部受験に必要な知識を高校の授業内でしっかり学べる。
進学型単位制のデメリット
1. 進路変更がしにくい
例えば医系コースに入ったのに途中で文系に進路変更すると、必要な科目の授業が受けられない。
2. 自由度が高い分、自己管理が必須
自分で時間割を作ったり選択したりするので、自主性や計画性がないと失敗しやすい。
3. 授業についていく負担が大きい
医系コースなどは学習内容が高度で進度も速いので、予習復習を怠ると遅れやすい。
保護者ができること〜進学型単位制を目指すお子さんのために〜
進学型単位制高校は、自由度の高さを活かして自分に必要な科目を選べるのが大きな魅力です。
一方で、自由度が高い分、計画性や情報収集力が求められます。
だからこそ、中学のうちから 「自分で考え、選ぶ力」 を育て、家庭で進路について話す機会を増やすことが大切です。
進学型単位制のメリット・デメリットを親子で共有する
• 「自由に選べることにはメリットとデメリットがある」ということを子どもに伝える。
• 実際に高校のパンフレットを一緒に読みながら、「この学校はどんな科目が選べる?」「大学進学にはどれが必要?」と話し合う。
・実際に高校に進学してみないと分からないところがあるので、オープンスクールに参加したり、先輩や知り合いの話を聞くなど、積極的に情報収集をする。
中学のうちに身につけておきたいこと
進学型単位制では、自分で授業を選び、計画を立てて単位を修得していく必要があります。
中学のうちに次のような力を身につけておくと、高校生活がスムーズになります。
① 計画を立てて勉強する力
• 定期テストや実力テストに向けて「何を、いつまでにやるか」を自分で決めて進めていく。
• 1週間単位の学習スケジュールを立てて進めていく。
② 自分で調べる力
• 分からないことを「とりあえず先生に聞く」のではなく、自分で調べるようにする。
• 自分から調べることで理解が深まり、興味や関心を引き出すきっかけになる。
③ 興味を持つ力
• 「◯◯ってどういうこと?」「◯◯っておもしろいね」など、普段から声かけをする。
• 得意科目や好きなことを見つけ、熱心に取り組むことが、将来の選択につながる。
進路を決める際に親子で検討すべきこと
保護者として進学型単位制の高校を選択するときに確認しておきたいポイントを説明します。
①子どもの本当の気持ちを知る
•子どもの希望をしっかり聞くという姿勢を見せる。
• 「入れる」高校ではなく、「入りたい」高校を見つける。
②志望する高校の学力レベルに合っているか
• 入りたい高校を決めたら、その高校の上位の成績を目指す。
• 進学校では平均より下の成績だと授業や課題についていくのが大変になる。
③ 大学や就職など将来のことを話しておく
• まだ進路がはっきりしていなくても大丈夫ですが、「文系か理系か」「大学進学か就職か」くらいの大まかな方向性を親子で話しておくと、科目選択で迷いにくくなります。
④ 塾など外部サポートをどう使うか
• 計画や情報収集が苦手でも、塾で進路面談や学習計画のフォローを受ければ安心。
• 学校と塾の役割を整理しておきましょう。
【まとめ】
進学型単位制は、お子さんが「自分で考えて選ぶ」力を伸ばす絶好の環境です。
でも、その自由を活かすには「計画力」「情報収集力」「自分の考えを持つ力」が欠かせません。
中学生のうちから、ぜひ家庭でできる声かけや習慣づけを意識してみてください。
わからないことは学校の先生や塾の先生にどんどん相談し、親子で安心して高校生活をスタートできるように準備していきましょう!
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