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岩手県公立高校入試「特色入試」導入?これでいいのか?

2025年度以降の岩手県公立高校入試についての改革案が出ました。

改革の要点は、これまでの推薦入試を廃止して「特色入試」を導入するということです。

まだ正式には決定ではありませんが、2022年時点の中学1年生の高校入試から特色入試を導入する予定になっています。

個人的には「これまでの推薦入試(部活推薦)を廃止するのは賛成だが、この特色入試は…?何のためにやるのかよく分からない。」というのが率直な感想で、これでいいのか?という疑問を抱いています。

「特色入試は、従来の推薦入試に必要な中学校長の推薦が不要で、自己推薦で出願できる。一定以上の部活動成績も要件とせず、校外のクラブチームや文化活動の成果などを、調査書と検査(小論文や実技、プレゼンテーションなど)で評価する。」となっています。

・中学校長の推薦不要

・部活成績も特に必要なし

・校外のクラブチームや文化活動の成果

これでは、中学校での活動成果ではないものが高校入試の合否の判断基準になるのはおかしな話です。

中学校で生徒会活動や学校行事に真面目に取り組むより学校外の活動が評価されるということなのでしょうか?

ところで、一般入試の翌日に特色入試を実施するという日程のようですが、どんな生徒が出願するのでしょうか?

一般入試で合格点を取れる学力がある生徒が、手間のかかる特色入試をわざわざ受けるとは考えにくいです。

それとも、一般入試で失敗したときの保険として特色入試を活用するという形を想定しているのかもしれません。

しかし、一般入試より特色入試の方が合格しやすいとは必ずしも言えないので当然不合格になるリスクはあります。

調査書と検査(小論文や実技、プレゼンテーションなど)で評価するとしていますが、一般入試の得点のような明確な基準ではないので、恣意的な判断が入る可能性もあります。

「特色入試では受験生の多様な資質、能力を評価する」としていますが、このような入試形式では、学力が足りない生徒を救済するための入試ではないのかと言われかねません。

個人的には、学力が十分にあり、学ぶ意欲が高く、しかも資質や能力が高い生徒を優先的に入学させるのが、本来の入試選抜の役割で、それが推薦入試であると考えます。

岩手県内では、定員割れの高校が年々増えてきて、入試が受験生の選抜としての機能を失いつつあることが大きな課題ではあるかと思いますが、もっと岩手県の生徒の学力や資質、能力を高めるための高校改善案を検討してもらいたいです。

12月1日から12月31日まで岩手県のホームページでパブリックコメントを募集する予定になっています。

この記事を読んだ方のなかで、もっと良い改善案がありましたら、ぜひパブリックコメントに意見を出してみてください。

もちろん、私(滝沢進学塾の塾長)としても、パブリックコメントに意見を出すつもりです。

この記事を書いた人
滝沢進学塾

歳弘 明(としひろ あきら)
滝沢進学塾塾長(指導歴20年)
岩手県出身/盛岡一高卒/北海道大学農学部卒
勉強や受験で困ったときの強い味方。指導対象は小学生、中学生、高校生。塾長が学年や教科を横断的、総合的に指導するのが特徴。

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