2023年3月岩手県公立高校入試 注目すべき問題【数学 大問10】

中学生|高校受験

2023年度岩手県公立高校入試問題 

【数学】大問10

次の図Ⅰは、荷物検査場のようすを真上から見たものです。スーツケースなどの荷物は、ベルトコンベアに載せられ、矢印の方向に一定の速さで運ばれて、X線検査機を通過します。スーツケースAが、X線検査場機に入ってからxcm進んだとき、スーツケースAとスーツケースBがX線検査機に入っている部分の上面の面積の合計をy㎠とします。2つのスーツケースの間の距離は40cmです。また、X線検査機の長さを l(エル)cm、スーツケースBの上面の面積をS㎠とします。なお、どちらのスーツケースも直方体であると考えます。下の図Ⅱは、xとyの関係をグラフに表したものです。

【図Ⅰ】2023.3.8付「岩手日報」県内公立高校入試問題より一部抜粋
【図Ⅱ】2023.3.8付「岩手日報」県内公立高校入試問題より一部抜粋

単元:中2 1次関数

内容:図形が動くときの面積の変化

1次関数の動点の問題は以前出題されましたが、それの応用編である今回の問題がいつ出題されるかと思っていましたが、ようやく今年出題されました。

いわゆる思考力問題と言われるもので、問題文を正確に読み取り、問題設定を理解した上で、正解にたどり着くまで粘り強く考える力が求められます。

図形(スーツケース)を少しずつ動かしながら、面積がどう変化していくか、グラフとの関連はどうなっているかを丹念に調べることで解くことができます。

ただし、入試という時間制限のある中では解く時間が少ないので、入試前に類似問題を解いておいてください。

本問の解説の前に、図形が動くときの面積の変化を図とグラフを対応させた問題をつくりましたので、見てください。

理解できましたか?

それぞれの時点の状態を図示すれば理解しやすいと思います。

頭の中でイメージすることも可能ですが、書き出すことで理解できるようになります。

それでは、ここから本問の解説をしていきます。

(1)X線検査機の長さl(エル)と、スーツケースBの上面の面積を求めなさい。

解説の図とグラフを見れば、X線検査機の長さが分かります。

また、スーツケースBはどの範囲かが分かれば、上面の面積が分かります。

(2)グラフにおいて、xの変域が150≦x≦210のとき、yをxの式で表しなさい。

1次関数なので、x=150とx=210のyの値を求めて、2点から式が求められます。

x=210のときのyの値を求める必要があります。x=150からx=210までのyの値の変化量はスーツケースAの面積に等しいので、yの値が求められます。

あとは、2点から傾きと切片を求めてください。

以上で解説は終わりです。

今回の問題では、スーツケースの動きとグラフを対応させて理解できるかがポイントでした。

このような思考力問題は、設問や図、グラフを理解するまでに時間がかかったり、手間が多かったりします。

また、全体の状況を把握し、判断することも大事になります。

教科書でも思考力問題があるので、面倒でも自分で問題を解いてみることです。

自分でじっくり考えて、ノートに書いて、それを見て正解までの道筋を見つける。

最後まであきらめず、正解までたどり着くまで考えることで、思考力問題を解く力が身につくのです。

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