昨年度から岩手県教育委員会によって岩手県公立高校入試の分析結果が公表されるようになりました。
その分析結果から上位層と中上位層で「差がついた問題」に注目して解説していきます。
S層は入試得点が76点〜100点の上位層。
R層は入試得点が51点〜75点の中上位層。
2023年社会『地理分野』の比較
【地理分野】S層(上位層)とR層(中上位層)の正答率を比較したグラフ
【地理分野】S層(上位層)とR層(中上位層)の正答率の比較
大問 | 小問 | S層正答率 | R層正答率 | 差(S−R) | 単元 |
1 | (1) | 100% | 99% | 1 | 世界地図 |
1 | (2) | 63% | 41% | 22 | 時差 |
3 | (1) | 96% | 55% | 41 | 中部地方 |
3 | (2) | 96% | 68% | 28 | 中部地方 |
3 | (3) | 83% | 37% | 46 | 中部地方 |
5 | (1) | 88% | 68% | 20 | アジア州 |
5 | (2) | 70% | 39% | 31 | アジア州 |
5 | (3) | 96% | 66% | 30 | アジア州 |
5 | (4) | 85% | 69% | 16 | アジア州 |
8 | (1) | 97% | 97% | 0 | 人口 |
S層(上位層)内で差がついた問題
◉応用:大問1(2)(S層正答率63%)
典型的な時差の問題です。上位生でも計算問題は苦手にしているようです。
問題は会話調になっていますが、時差の求め方は決まっているので、確実に正解できるように練習しておきましょう。
◉応用:大問5(2)(S層正答率70%)
アジア4カ国の輸出品目の表を読み取る問題です。
世界のそれぞれの地域の産業に関する資料の読み取りは必須なので、普段から教科書や資料集などの表やグラフなどに目を通しておきましょう。
S層(上位層)とR層(中上位層)で差がついた問題
◉応用:大問3(3)(S層83%、R層37%、SーR=46)
北陸地方の産業の特徴を気候と関連づけて説明する問題。資料から冬は雪が多く、農作業ができないことが分かります。
◉応用:大問3(1)(S層96%、R層55%、SーR=41)
知識問題です。正解は「フォッサマグナ」
◉応用:大問5(2)(S層70%、R層39%、SーR=31)
アジア4か国の輸出品目と輸出総額の表を読み取る問題。
中国=輸出総額最大、サウジアラビア=石油関連、マレーシア=パーム油、インド=ダイヤモンドで見分ける。
◉応用:大問5(3)(S層96%、R層66%、SーR=30)
アジア州の宗教の分布。X、Yのそれぞれを答える(完全解)。
2023年社会『歴史分野』の比較
【歴史分野】S層(上位層)とR層(中上位層)の正答率を比較したグラフ
【歴史分野】S層(上位層)とR層(中上位層)の正答率の比較
大問 | 小問 | S層正答率 | R層正答率 | 差(S−R) | 単元 |
2 | (1) | 90% | 59% | 31 | 奈良時代 |
2 | (2) | 94% | 68% | 26 | 平安時代 |
2 | (3) | 71% | 31% | 40 | 室町時代 |
2 | (4) | 68% | 49% | 19 | 江戸時代 |
2 | (5) | 77% | 49% | 28 | 鎌倉時代 |
6 | (1) | 96% | 87% | 9 | 明治時代 |
6 | (2) | 100% | 96% | 4 | 明治時代 |
6 | (3) | 78% | 64% | 14 | 明治時代 |
6 | (4) | 30% | 6% | 24 | 明治〜昭和 |
8 | (2) | 67% | 48% | 19 | 弥生時代 |
S層(上位層)内で差がついた問題
◉基本:大問6(4)(S層正答率30%)
歴史上の出来事を年代順に並べかえる問題です。
日本と中国の関わりですが、明治から昭和まで幅広い年代における出来事なので、正答率が低くなったと考えられる。
◉応用:大問8(2)(S層正答率67%)
上位生で「邪馬台国」が答えられなかったのは意外でした。
◉応用:大問2(4)(S層正答率68%)
資料をもとに答える問題で、江戸時代の農民に対する決まり事(慶安御触書)を出した理由を記述するものです。資料から「年貢」という語がヒントになります。
S層(上位層)とR層(中上位層)で差がついた問題
◉基本:大問2(3)(S層71%、R層31%、SーR=40)
室町時代の商業についての問題。正解は「座」。株仲間などと混同しないように。
◉応用:大問2(1)(S層90%、R層59%、SーR=31)
奈良時代の農民に課される税についての問題。正解は「調」。他の税についても確認しておこう。
◉基本:大問2(5)(S層77%、R層49%、SーR=28)
地頭が置かれた年代は、年表のどこに入るかという問題。
2023年社会『公民分野』の比較
【公民分野】S層(上位層)とR層(中上位層)の正答率を比較したグラフ
【公民分野】S層(上位層)とR層(中上位層)の正答率の比較
大問 | 小問 | S層正答率 | R層正答率 | 差(S−R) | 単元 |
4 | (1) | 95% | 70% | 25 | 憲法 |
4 | (2) | 96% | 69% | 27 | 国会 |
4 | (3) | 91% | 81% | 10 | 裁判所 |
7 | (1) | 95% | 83% | 12 | 税金 |
7 | (2) | 100% | 95% | 5 | 社会保障 |
7 | (3) | 96% | 68% | 28 | 財政 |
7 | (4) | 84% | 58% | 26 | 財政 |
8 | (3)日 | 70% | 59% | 11 | 国際経済 |
8 | (3)フ | 92% | 80% | 12 | 国際経済 |
S層(上位層)内で差がついた問題
◉応用:大問8(3)(S層正答率70%)
社会の最後にある定番の問題です。
資料を読み取りをもとに論述する問題で、日本とフィリピンのそれぞれの利点を書く内容でした。
読み取った資料の内容を適切に使って記述する力が必要です。
S層(上位層)とR層(中上位層)で差がついた問題
◉基本:大問7(3)(S層96%、R層68%、SーR=28)
政府の財政政策についての問題。どのような状況で増税または減税をするか。
◉応用:大問4(2) (S層96%、R層69%、SーR=27)
日本国憲法の国会の地位についての条文の空欄に語句を当てはめる問題です。
◉基本:大問7(4)(S層84%、R層58%、SーR=26)
「大きな政府」を国民の負担および福祉の大小によって図中に位置付ける問題です。
◉基本:大問4(1)(S層95%、R層70%、SーR=25)
法の構成「憲法→法律→条例・命令」を問う問題です。
公式LINEから高校受験の個別相談ができます!
下の友だち追加登録後に、相談内容をチャットでお送りください。公式LINEのチャットは1対1での会話なので、内容を他の人に見られることはありません。
LINEでの個別相談は24時間対応です。塾での個別相談もできますので、 LINEで日時の予約をお願いします。
記事へのコメントをどうぞ