中学や高校の数学を指導していると、小学校の算数がよく分かっていない中学生や高校生が増えてきたような気がします。
「小学校の時に算数をきちんとやっていれば、中学や高校の数学でこんなに苦労しなかったのに!」とならないようにしてほしい。
小学6年生の新出単元は2学期で終了し、3学期は小学校算数の復習になります。そのため、4年生や5年生に比べて学習する単元の数は少なくなっています。
重要単元というのは難易度別ではなく、「中学や高校の数学を得意にするためにしっかり身につけてほしい」という観点で滝沢進学塾塾長が独自に選定した単元です。
それでは、ここから小学6年生の算数の重要単元について説明していきます。
学期 | 単元名 | 重要度 |
1 | 対称な図形 | * |
1 | 文字と式 | |
1 | 分数のかけ算 | |
1 | 分数のわり算 | |
1 | 比 | ◎ |
2 | 拡大図と縮図 | * |
2 | 円の面積 | * |
2 | 角柱と円柱の体積 | △ |
2 | およその面積と体積 | |
2 | 比例と反比例 | ◎ |
2 | 並べ方と組み合わせ方 | ◯ |
2 | データの調べ方 | △ |
3 | 算数のしあげ |
◎は最も重要度が高い/*は単元の一部で重要度が高い/◯・△という順に重要度が低くなる
比
「比」は比例、拡大・縮小、割合、速さなどと密接な関連があり、算数の中では重要な単元となります。
「比」で理解が不十分になりがちなのは以下の2つの内容です。
①AとBを5:3に分けるとき、全体(A+B)は8等分されているので、Aは8分の5、Bは8分の3の割合になっている。
②比の値が一定であれば、AとBの比は常に同じである。すなわち、A:B=3:1=6:2のように、AはBの3倍に常になっている。
速さも比の関係が分かっていれば、「み・は・じ」の公式に頼らなくてもできます。
なので、で走る自動車は、120kmを何時間で走りますかという問題では、
時速40kmは1時間で40km進むという割合が一定、つまり、比の値が一定なのです。
だから「A:B=1時間:40km=⬜︎ 時間:120km」で、AはBの40分の1なので、⬜︎時間=3時間と求められます。
比は中学数学や高校数学、あるいは理科や社会の至る所に出現するほど重要なものなので、しっかり身につけてほしいです。
比例と反比例
2つの量xとyの関係を見つけることがxが決まるとyが決まる、つまり、重要となります。
小学校の算数では、「比例、反比例、どちらでもない」を判別できるようにします。
比例では「y÷xの値が一定」、反比例「xyの値が一定」というきまり
中学1年生の数学の「比例・反比例」につながります。
特に「比例」は数学だけでなく、理科や社会のグラフに使われるなど、活用範囲は広いです。
図形の単元
図形の単元を得意にするには、自分の手でどんな図形でも描けるようにすることが大切です。
対称な図形
対称な図形には、線対称と点対称が出てきますが、線対称に比べて点対称の方がよく分からない子が多いです。
点対称な図形が分からなくなるのは、図形が回転するとどうなるかという具体的なイメージができないからです。
まずは方眼の中で点対称な図形を描きましょう。それができたら方眼ではなく白紙に、コンパスや定規を使って描けるようにします。
対称な図形の内容は、中学1年生の数学の「平面図形」の単元につながります。
拡大図と縮図
図形の形を変えずに拡大や縮小するということは理解できるのですが、実際に計算になるとできない子どもが増えます。
また、四角形以上の多角形などでは、もとの多角形と拡大した多角形が同じ向きではなく、少し回転させただけで対応する辺の位置が分からなくなる子がいます。
中学校の社会(地理)における地図の縮尺の計算も出てきます。地図を読むときには必要な技能ですね。
さらに、ちょっと応用ですが、長方形を2倍すると縦と横の長さはそれぞれ2倍になりますが、長方形の面積は2×2=4倍になります。これもつまづきやすいところです。
中学3年生の数学の「相似な図形」、高校数学の「三角比」につながっていきます。
円の面積
円の面積はできますが、おうぎ形の面積になるとつまづく子どもが増えます。中学生でさえ多くの生徒がつまづいています。
おうぎ形の面積は、中心角の大きさによって円の面積の1/2や1/3などになることを学びます。
円の面積を1とした時の中心角の割合を利用するだけなのですが、割合という概念が十分に理解できていないとつまづく原因になります。
中学1年生の数学の「平面図形」につながっていきます。
並べ方
並べ方や組み合わせ方を過不足なく数え上げる方法を身につけます。
適当に数えていくのではなく、表や樹形図を利用して手順に沿って数えたり、並べることと組み合わせで数え方が異なることまで理解できると良い。
中学2年生の数学や高校数学の「確率」につながっていきます。
確率の問題は日常の事柄や既習範囲の単元から出題されるため、学年が上がるほど攻略するのが難しい単元になります。
資料の調べ方
資料を表やグラフに整理して、平均値や中央値、最頻値を求めます。
新しい教科書に変わって、中学校の教科書から一部が小学校に下りてきました。
情報の活用に重点が置かれている影響で、データの扱い方や読み取り方はしっかり身につける必要があります。
中学1年生の数学の「データの分析と活用」につながります。
算数のしあげ
中学校の数学準備として、予習と復習のどちらを優先するか?
中学校や高校の数学は小学校の算数を土台として成り立っています。数学でつまづくのは算数が原因となっていることが多いのです。ですから、今回説明した小学4年生・小学5年生・小学6年生の重要単元をしっかり身につけてください。
算数の復習におすすめなのは、中学受験用の問題集を解くことです。中学受験は難しい問題だけでなく、基本問題もあります。その基本問題を解けるようにしましょう。
余裕があれば、中学受験の問題集の応用問題にもチャレンジしてください。全部解けなくてもいいので、どんな考え方で解くのか
予習は中学生になった4月から始めても十分に間に合うので、小学校算数の復習を優先することをオススメします。
小6算数特訓 実施要項&申し込み方法
小学6年生や中学1年生が対象です。
月〜木、土日祝の16時〜20時のうち都合の良い日時を自由に選べます。
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