2023年3月岩手県公立高校入試 注目すべき問題【理科 大問4】

中学生|高校受験

2023年度岩手県公立高校入試問題

物理分野:水中ではたらく力(中3)

【理科】大問4(2)

②について、水時計のしくみを調べるため、図Ⅱのようにペットボトルで模型を作り、水を入れて下の穴から水を出し、一定時間ごとに水面の高さを示す線をかきました。次のア〜ウのうち、かいた線の間隔として最も適当なものはどれですか。一つ選び、その記号を書きなさい。また、そのようになる理由を、水の量にふれながら簡単に書きなさい。

2023.3.8付「岩手日報」県内公立高校入試問題より一部抜粋

これは「水圧」の問題です。

理科の問題を解くために必要なのは、定義をきちんと覚えておくことです。

教科書では、「水圧」を以下のように説明しています。

水中の物体には、あらゆる方向から圧力がはたらく。水中ではたらく圧力を水圧という。水圧は、水中の物体より上にある水の重力によって生じる。そのため、深くなるほど、水圧は大きくなる。

東京書籍「新しい科学3」(p.158)

教科書の欄外には、大気圧は下にいくほど、圧力が高くなる点が水圧と同じということも書かれています。(こういうところも覚えておくといいですね。)

(図1)水の深さと水圧、水の出方の関係

教科書の説明を図示すると図1のようになります。水が入っている部分を青色にしています。

水深が深くなるほど、水圧は大きくなり、水の出方も大きくなります。

このことを理解した上で、入試問題の設定を確認していきます。

(図2)水量の変化と圧力、水の出方の関係

図2では、右にいくほど、水量が減っていき、下の穴がある深さにおける水圧は小さくなります。

水圧が小さくなると、単位時間あたりに穴から出る水量は少なくなります。

穴から出る水量が減ると、水位の下がり方は小さくなります。

以上のことから、正解は「イ」となります。

理由は「水が多い時は圧力が大きく、水が少なくなると圧力が小さくなるから。」となります。

問題は高校入試の基本レベルですが、理由を説明する記述は現象の原理をもとに論理的に考えられるかを問う問題でした。

理科の問題を解く時に意識すること
・図やグラフを正確に読み取る
・問題文を正確に読み取る
・実験結果の根拠や原因を考える
・教科書で習った事項を引き出す

ここからは、問題に関連した思考力トレーニングです。挑戦してみてください。

水時計として使用するためには、線の間隔が等しいほうが時刻が分かりやすい。そのためには、容器の形をどのように変えたほうがよいか考えてください。

「水時計」に関連するリンクです。興味を広げるためにもぜひ読んでみてください。

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歴史 世界の水時計 | 水時計のお話 |セイコーキッズ
世界にはどのような水時計があるかを学ぶことができます。

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【時の記念日100周年企画】漏刻を作ろう!③(原理編)
漏刻を作って、実際に時を測ってみました。ここからはなぜ漏刻で時間を知ることができるのか、その仕組みを考えてみましょう。まだ漏刻を作っていない方はこちらから。【時の記念日100周年企画】漏刻を作ろう!(工作編)【漏刻のしくみ】水は高さが高いと

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